附属病院・感染免疫内科附属病院・感染免疫内科

輸入感染症

熱帯・亜熱帯へ旅行される方へ

現地での感染症予防

旅行中は普段守っている行動規範が無視されがちになり、羽目をはずしたり、無茶な行動にでる場合があります。
以下に熱帯地域に渡航の際、気を付けるべき重要事項を挙げます。
決して無茶な行動はせずに旅を楽しみましょう。

食べ物には気を付ける

コレラ、赤痢、腸チフスなどの腸管感染症やA型肝炎は不衛生な食物、水から感染します。
予防には「調理する(火を通す)、果物は皮を剥く、そうでなければ口にしない」(Boil it, cook it, peel it, -or forget it.)が原則です。

蚊、ダニに刺されないようにする

熱帯地方にはいろいろな熱病がありますが、その中でも有名なものには蚊によって媒介されるマラリアとデング熱、ダニによって媒介されるリケッチア症などがあります。
熱帯熱マラリアは熱帯地域、特にアフリカやインドで流行しており、発病した時には抗マラリア薬による適切な治療を すみやかに開始しないと重症化することがあります。
潜伏期がありますので、流行地から帰国し1ヶ月以内に発熱が出現した場合、早めに専門医療機関とご相談ください。

可愛いからといってむやみに動物に手を出さない

狂犬病は日本やオーストラリアやイギリス以外のほとんどの国で発生しています。
また犬以外の野生動物からも感染する可能性があります。
危険な動物は 犬、コウモリ、ジャッカル、アライグマ、マングース、キツネなどです。
特に、日本のペットの犬に対するのと同じ感覚で現地の野犬に近づくのは大変危険です。

ケガをしたり、動物に噛まれたときは...

ケガをしたときはまず傷口を時間をかけてよく水洗してください
そして消毒液を使って消毒しましょう
また、土壌による汚染が強いと思われるときは破傷風などの危険性も考慮して医師に相談してください。

動物に噛まれたときはすぐに医師に相談してください
もし可能なら、同時にその動物の行動がおかしくないか、10日以内に死亡することがないか観察してください。
狂犬病の犬は、全身がぬれたようで、よだれをダラダラ垂らしていたり、攻撃的な面があるなど異常な行動をとり、10日ぐらいで死亡します。
狂犬病のウイルスは前歯の裏にたくさん存在し、ズボンの上から噛まれたときは体内に入るウイルス量は少ないといわれていますので、海外では長ズボンを着用することも大切です。

川や湖での水遊びに注意

東南アジア、アフリカの淡水には住血吸虫などの寄生虫や細菌が生息しており、水浴等の際に皮膚から感染する危険があります。

無防備なセックスは避ける

コンドームを使用しない無防備なセックスは、淋病などの尿道炎、ヘルペス感染症、HIV感染症などの性行為感染症に感染する危険があります。