附属病院・感染免疫内科附属病院・感染免疫内科

輸入感染症

輸入感染症を診療される医療従事者の方へ

旅行地域と予防接種

旅行者にどのような予防接種を勧めるのかは、その旅行の目的地、行動様式、期間などにより様々であり、旅行内容や目的などをよく聞いた上考慮する必要がある。

米国疾病予防センターCDC(Centers for Disease Control and Prevention)の大人の場合の目的地別の推奨予防接種を紹介する(一部を改変)。

○は接種が推奨されるワクチンです。
△は場合によっては接種したほうが良いワクチンです。欄外の説明をお読みください。
西西
A型肝炎△1△2△3
○:推奨される
△1:衛生に問題のある地域に行くときに推奨される
△2:オーストラリア・ニュージーランド以外で推奨
△3:リスクは低いが長期滞在時に推奨される
B型肝炎
△:6ヶ月以上の長期滞在、医療関係者などの血液に触れる可能性のある場合、医療行為などを受ける可能性のある場合に推奨される
破傷風
△:5〜10年以内に接種を受けていない場合は追加接種が推奨される
狂犬病
△:野生動物と接触する可能性のある場合に推奨される
日本脳炎
△:4週間以上都市部以外で滞在したり、流行地を訪れる場合に推奨される
黄熱△1△1△1△2△3△3△3△3△3△1△3△3△1△3△3
○:推奨され、入国に際しワクチン接種の証明が必要である
△1:都市以外に滞在する予定のある場合推奨され、入国に際しワクチン接種の証明が必要になる場合がある
△2:入国に際しワクチン接種の証明は必要ではないが、アルゼンチンの田舎へ行く予定のある場合は推奨される
△3:感染する危険はないが、南アメリカ北部やサハラ以南のアフリカから入国する場合にはワクチン接種の証明が必要になる場合がある
ポリオ
△:必要に応じて成人への経口ワクチン1回投与が推奨される

複数のワクチンを接種する場合の注意事項

  • 接種後次の種類のワクチンまでの期間は生ワクチンでは4週間、不活化ワクチン、トキソイドでは1週間空けることになっている。
  • 渡航までの時間がないと相談された場合、医師が必要と認めた場合に限り2種類以上の予防接種を同時に行うことができる。
  • 一般に用いられるワクチンは2cm以上離れた場所に接種すれば同時に複数接種が可能である。
  • 混合ワクチンは有用である。
  • 複数回接種が必要なワクチンは後半の現地接種も考える。