海外で熱帯病に感染し、帰国した後に発症する輸入熱帯病の患者が日本国内でも時々みられる。このような熱帯病に対する治療薬の中には、わが国における症例数が少ないために製薬会社による商業ベースでの供給が成り立たず、国内で入手できないものや、承認薬として投与できないものが数多くある。
この問題が1980年当時の厚生省薬務局審査課を中心に検討され、研究班を発足させて対処を行うこととなった。以来、母体は異なっても現在まで継続され、2013年4月からは厚生労働科学研究費補助金・創薬基盤推進研究事業「わが国における国内未承認薬を用いた熱帯病・寄生虫病の最適な治療法の研究」(班長:宮崎大学 丸山治彦)として、このような稀少な熱帯病に対する治療薬(オーファンドラッグ)を輸入・保管し、必要な患者に投与するシステムをとっている。
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